東洋医学の治療法に漢方薬を用いたものがあります。漢方治療をしている患者のケアでは看護師が大きな貢献をすることができます。服薬管理は、病院ではだんだんと薬剤師が担当するようになってきました。しかし、もし看護師が服薬管理を担当している現場で働いているなら、漢方治療では必須のことと捉え、積極的に取り組む姿勢が求められます。
漢方薬は毎日必ず飲み、何か月も飲み続けることが重要なので服薬管理が欠かせません。飲み忘れをなくすようにして、体質をうまく改善して治療に向かえるようにサポートするのは大切です。それと合わせて重要なのが、患者のケアにおけるコミュニケーションです。患者に元気になりたいというモチベーションを持たせるように心がけるのが、漢方治療では重要だからです。
漢方治療では薬の直接的な作用によって強く症状が抑えられたり、容態が急激に改善したりすることはあまりありません。辛抱強さが漢方治療を成功させるためには欠かせないので、患者を叱咤激励してモチベーションを高めていくことが大切なのです。ずっと飲んでいけばきっと元気になると信じてもらい、モチベーションが上がれば前向きな気持ちになります。
漢方治療はメンタルヘルスの影響も大きく、前向きに体質を改善して元気になろう、病気を治そうという意欲があると効果が出やすい傾向があります。このようなアプローチができるのは患者から信頼される看護師なので、漢方治療では看護師が活躍できるのです。
現在、漢方外来で働く看護師を目指しているのであれば漢方に関する知識はもちろんのこと、西洋医学との違いについては把握しておいた方がいいでしょう。